KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年8月号
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と解き明かしました。凄いですね。でもまだまだよく分かっていません。宇宙の中では物質はほんの5パーセント程度しか存在しないそうです。あとは暗黒物質・エネルギー。いずれにしても私たちは宇宙の「燃えカス」、つまり「奇跡の存在」なのです。人生は尊いですね。しっかり大事にして生きていきたいですね。CO2に罪はない問題は怠け者の人間にある分子は原子がくっ付き合ってできています。今、ワルモノにされている二酸化炭素(CO2)は、炭素に酸素2つがくっ付いたものです。地球の貴重な財産である石油や石炭を人間が燃やしてエネルギーを取ってCO2と水に変えています。この安易な生き方が温室効果をもたらし地球温暖化につながっているのです。CO2に罪はなく、怠け者の人間が、環境のことを考えず、私利私欲にかられて愚かなことをやっているところに問題があるのです。自然の仕組みを「サイエンス」で理解して、知識を整理して蓄え、活用して生きていくことが大切です。学校だけではなく、地域や家庭でしっかりと教育をしなくてはいけません。サイエンスは面白いだけでなく、健やかで真っ当な人生観、自然観を持って100年生きていくためのもので、決してお金儲けのためのものではありません。医薬品の健全化に資する研究が認められたサイエンティストの一人である私の興味は、原子と分子をベースにした「化ケミストリー学」。これは地球圏における物質とエネルギーの変換に関わる科学です。分子には右と左に関係があるものが多い。そして皆さんの命は左右の分子に依存していると言っても間違いではありません。右と左は自然界でも社会においても、とても大切なことです。相手があると大問題になる。皆さんの身のまわりにもあってハサミも定規も、トランプ、野球のグローブ、ゴルフクラブ…何にでも右利き用と左利き用があります。自分の顔を鏡で見ると左右が逆です。鏡の中の自分はこの世の中に出て来ても生きていけません。食べものをまったく消化できないからです。31

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