KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年8月号
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とを決めました。苦渋の決断でしたが…」コロナ禍が急速に広がり始めていたのだ。「キャスト、スタッフには、必ず撮影を再開するからそれまで待っていてほしい。そう伝えました」五十嵐監督はこの言葉を守り、約1年8ヶ月後、昨年11月に撮影を再開し、翌12月、沖縄県名護市でクランクアップ 新作の小説や映画に新譜…。これら創作物が、漫然とこの世に生まれることはない。いずれも創作者たちが大切に温め蓄えてきたアイデアや知識を駆使し、紡ぎ出された想像力の結晶だ。「新たな物語が始まる瞬間を見てみたい」。そんな好奇心の赴くままに創作秘話を聞きにゆこう。第21回は映画監督の五いがらし十嵐匠しょうさん。時間を費やした意味はある…コロナ禍に挑んだ映画「島守の塔」が問うメッセージTHESTORYBEGINS-vol.21■映画監督■五十嵐 匠さん⊘ 物語が始まる ⊘「島守の塔」が全国で順次公開中だ。製作時間がかかったことには理由がある。コロナ禍により撮影が一度、延期されたからだ。2022年夏の公開を目指し、2020年3月、沖縄県うるま市でクランクイン(撮影開始)した。ところが…。「撮影4日目に休止するこ最長の製作時間「一本の映画製作にこんなに長い時間をかけたことはない。でも、無駄な時間はなかった。キャストもスタッフも、私にとっても…。時間を費やしただけの成果、手ごたえを実感することができましたから」こう自信を込め、五十嵐匠監督が語る渾身の新作映画16

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