KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年8月号
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しまうことになる。全ての人間は、死は未知なものと思っているが、そうではない。われわれ全ての人間が、死の世界からこの生の世界に生まれてきたのであるが、その記憶は誰にもない。もし輪廻転生を理解するなら、この秘密は簡単に解明できる。まあ、今後展示される僕の作品には、以上のような考えによって死を導入しているので、そのことを念頭に見ていただくと大変嬉しいと思う。美術家 横尾 忠則1936年兵庫県生まれ。ニューヨーク近代美術館、パリのカルティエ財団現代美術館など世界各国で個展を開催。旭日小綬章、朝日賞、高松宮殿下記念世界文化賞受賞。令和2年度 東京都名誉都民顕彰ほか受賞・受章多数。3月に小説「原郷の森」(文藝春秋社)が刊行された。8月6日より、横尾忠則現代美術館にて開館10周年記念展「横尾さんのパレット」を開催。http://www.tadanoriyokoo.com「横尾忠則の冥土旅行」 会場風景15

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