種の紫外線はリンパ腫の治療に用いられているほどです。美白を意識しすぎて紫外線を極端に避けるのは危険です。美白を追求するあまり、産まれたばかりの赤ちゃんを紫外線から完全に遮断したところ、骨を育てるビタミンDを作ることができず、くる病になってしまったという事例が現代の日本で起きています。常に適度な紫外線を浴びてちょうど良い加減の肌色を保つことが大切です。もう一つ、肌の洗いすぎは禁物。もちろん、食べたものが付いた赤ちゃんの肌はちゃんと洗ってから保湿してあげなくてはいけませんし、皮脂が多い十代のころはある程度洗う必要がありますが、年齢を重ねて同じことを続けていると必ずと言ってもいいほど肌トラブルが起きます。不要な垢は自然に落ちていきますからこすって無理やり剥がしたりしないこと。必要だから肌についているのです。何ごとも「極端はダメ」ということです。久保先生にしつもんQ.医学を志された理由は。皮膚科を専門にされたのはなぜ?A.父が皮膚科医でしたので子どものころからお医者さんになろうと思っていました。大阪大学医学部に入り、薬理学の研究室で実験をやらせてもらうと、それが面白くて、楽しくて…。それ以来、研究の世界にどっぷり。基本〝オタク〟なのでハマったらとことん突き詰めてしまいます(笑)。卒業後は皮膚科にいったん入ったのですが2年を経て、基礎研究に進み10年ほどは研究に没頭していました。その後、皮膚科に戻り、慶應義塾大学で臨床と基礎を結びつける仕事を15年続けたのち、昨年、神戸大学へ来ました。Q.趣味やストレス解消法は。A.〝オタク〟なのでいろいろありますよ。まず〝クラシックオタク〟。最近は室内楽を聴くことが多いです。しゃべり始めたら時間が足りませんね。続いて〝カメラオタク〟。生き物と旅行も好きなので、行った先で動物を撮り、鳥を撮り、海に潜って魚を撮り…これも話が止まらないので、またの機会にします(笑)。Q.患者さんに接する際に心掛けておられることは。A.子どもの患者さんのご両親、特にお母さんは「病気になったのは自分のせい」と思ってしまう傾向があります。親から受け継いだ遺伝的な要因で発症したり発症しなかったり…。でも病気は誰のせいで起こるものでもありません。ご自身を責めることではないと分かってもらえるように努めています。私たち医師と親御さんが信頼関係を築き緊張がほぐれたら、子どもさんはそれを確実に感じ取り、緊張がほぐれます。怖がられることもなくなり治療がスムーズに進みます。これはどんな年代の方でも同じですね。まずは信頼関係の構築です。97
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