KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年7月号
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やカビなどです。ぜんそくの重責発作や食物のアナフィラキシーなどは命に関わる可能性もあります。正しい治療法、対処法を知ることが大切です。―治療についてはいろいろな情報が氾濫していますが…。今は治療薬の種類も増えて、アトピー性皮膚炎と戦ういろんな武器があります。武器は正しく使うことが大切です。間違った使い方をすると色んな問題が起こります。世の中には皆さんを怖がらせる情報が溢れ返っていますが、正しい使い方をすれば怖い武器ではありません。なんとなくの印象でステロイドを使うことを怖がったりせず、皮膚科専門医の指示に従って適切な治療を続けてください。―皮膚がんの原因は?がんはいくつかの遺伝子の傷が積み重なって発症しますが、皮膚がんに関しては紫外線が大きな要因の一つです。一例を挙げると、イギリスからオーストラリアへ入植したコーカシアンの人たちに非常に多くの皮膚がんが発症さん含まれています。それが皮膚を通してアレルゲンとして免疫に覚えられてしまうと食物アレルギーを発症する原因になってしまいます。アトピー性皮膚炎が増えている理由はいくつか考えられます。近年日本の湿度が低くなってきていること、エアコンによる部屋の乾燥、部屋の気密性が上がったために増えたダニアが壊れやすくなってしまいます。そうするとダニ抗原や食物抗原などのさまざまな抗原が皮膚を通して身体に入り込み、免疫にアレルゲンとして記憶されてしまって、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーの発症要因になってしまうのです。実は家の中のほこりには、子どもさんの食べこぼした卵やピーナッツなどの食物抗原がたく95

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