KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年7月号
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「農家になることがどういうことかわからなかった中で勢いよく飛び込んだ農業の世界。今はこうして兼業もアリだよねとスクールをしていますが、私が就農した当時は親が農家でない限りはその選択肢もありませんでした。でも実際は、この淡河でもほとんどが兼業農家なんですよね」神戸の街は、実は3分の1が農地であり、都市と農村の距離感も密接です。「神戸で農家をするなら、街と農地を行き来するにも気楽な距離感。専業にこだわらなくてもいいと思います。むしろ神戸は、小さな兼業農家に向いている場所だなと感じますね」2020年に開校し、今年の秋で3期生を迎えるスクール。神戸市で新たに創設された就農制度「ネクストファーマー制度」の研修認定校にも登録されたことで、従来であれば農家資格を得るためには仕事を辞めることを余儀なくされていた状況から、仕事を続けながらも新規就農やマイクロファーマーを目指せるように。都市と農村が近い神戸らしく、農との自由な関わりを後押ししています。1年間のスクールで意識がガラリと変わるはず現在2期生は16名。ほとんどが30~40代で、税理士、カメラマンなど職業もバラバラだそう。「面積にもよりますが週に2~3日畑に従事できるならそれなりに成立すると思います。すでにご自身の仕事で食べていけている人たちなら、安定感も増してむしろいい選択肢なんじゃないかな」ちなみに森本さんが新規就農した際、一番大変だったのは野菜の不出来などの部分よりもむしろ「会社でいうところの起業部分」だったそう。「学校でも、みんな仲間だけどライバルみたいでした。そしていざ就農できても、今度は村のルールがわからない。やっぱり土地と共にあるのが農業なので、村の人達とのコミュニケーションは必要ですよね。作物の育ちに関しては、気候に左右され42

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