KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年7月号
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とピアノを猛特訓してくださいました。そのストイックな姿、上達ぶりに感動しました」るいを岡山に残し、米国へと旅立った安子が米映画界のキャスティング・ディレクター、アニー・ヒラカワとなって岡山へ戻ってくる。うしろめたさから、数十年も娘に会うことから逃げ続けてきた祖母をつかまえ、背負って母の下へ連れて行く孫のひなたが言う。「おばあちゃん、もう逃がさへんで!」祖母と母の再会を孫がつなぐ…。三世代の歴史を完結させた場面に思わず涙がこみ上げた…そう伝えると、「私も大好きなセリフ、大好きな場面です」と安達さんは笑った。「正直、ここまで大きな反響があるとは想像できなくて…」。〝未踏の演出〟に挑んだ安達さんの表情は安堵と充実感に満ちていた。(戸津井康之)撮影協力 㐂久屋(神戸市中央区)23

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