造する力が宿っている。芸術とは永遠の子供との遭遇である。子供と大人を分け隔てるのは、この子供心である。子供はいつまでも心の中に物語と冒険心を抱き続けているが、この心を失った者が、いわゆる大人である。こうした子供心を失った大人を如何に子供時代に回帰させるかということが芸術の使命ではないだろうか。僕が初めて版画を手掛けたのは1965年にパリ青年ビエンナーレに出品したことから始まる。当時は僕はグラフィックデザイナーで版画には全く無関心であった。第一、パリ青年ビエンナーレという現代美術の展覧会のことなど全く知らなかった。この時、この国際展のコミッショナーでもある美術評論家の東野芳明さんが、「このところ日本は賞に見離されているので、ひとつ賞を獲ってもらいたいんだ」と無理な注文を出して僕に版画の出品を依頼してきた。第一、僕は版画家ではない。このような国際的な現代美術展に出品するような資格も能力もない。そんな版画の世界では素人「HANGA JUNGLE」展 会場風景15
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