KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年7月号
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今回も平尾工務店が使用している三州瓦を例に、瓦づくりについてご紹介します。窯から出て出来上がった瓦は、必ず検品作業を経てから梱包・出荷されます。焼成や燻化を経て、いよいよ焼き上がりです。長いトンネル窯は出口でも温度は230℃にもなり、瓦自体も200℃弱と高温ですので、もう少し時間をおいて冷ましてから品質の検査に進みます。検品は人と機械によるダブルチェックです。まず、職人がコンベアで流れてくる瓦を1枚1枚しっかりと目視して、キズ、釉薬のはがれ、欠けがないか確認し選別。その後、1枚ずつ行儀検査機に通し、センサーでゆがみやひずみがないか調べます。このほか、万全を期すために抜き取り検査もおこないます。検品の過程で不合格と判定された不良品でも、基本的にそのまま廃棄されることはありません。細かく粉砕してシャモットに加工し、粘土に混ぜて瓦の原料として再利用します。限られた資源を無駄にせず、エコにも平尾工務店木のすまいプロジェクト失われつつある日本伝統の建築文化を未来へ。連綿と受け継がれてきた匠たちの仕事をご紹介します。瓦編|Vol.6検品・梱包132

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