KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年7月号
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神戸生まれの〝タイガー〞鬼塚株式会社の創業から73年…。バスケットボール専門のシューズ作りから始めた、神戸市に本社を構えるアシックスは、昨年の東京五輪・パラリンピックでは日本選手団のユニフォームの製作を手掛けた。それだけではない。世界のメダリストたちがアシックスの競技用シューズやウェアなどを使用していた。鬼塚喜八郎が興した神戸の小さなシューズメーカーは、世界を代表するスポーツメーカーへと大躍進を遂げた。アシックスブランドは世界を席捲。五輪など国際競技の他、野球、サッカーなどさまざまな競技でプロ、アマのトップアスリートたちが愛用。アスリートだけでなく、ファッション性を求める世界の若者たちにとってもアシックスは憧れのブランドメーカーへと成長した。代表するブランドが「オニツカタイガー」。喜八郎が創業当時に考えたネーミングで、虎印のロゴも彼が考案したものだ。「スポーツシューズにふさわしく、強さと俊敏性を…」。そこで喜八郎がイメージしたのが〝トラ〞だった。現在も、アシックスのシューズには「ONITSUKA TIGER」のロゴが刻まれている。今や「オニツカタイガー」の名と、このロゴを世界で知らない者はいないほどの人気ブランドとなったが、1952年のロゴを見ると、「ONITSUKA TIGER KOBE」の文字が…。このブランドが、神戸で発祥したという事実を知っているアスリートは、現在、世界にどれだけいるだろうか?世界照準昨年の東京五輪を遡ること65年前。創業7年目。まだ、ほとんど誰もその名を知らない小さなメーカーだった鬼塚株式会社は1956年、メルボルン五輪で、日本選手団の選手用のトレーニングシューズとレスリングシューズ鬼塚喜八郎神戸から世界へ羽ばたいた靴作りの夢神戸偉人伝外伝 〜知られざる偉業〜㉗中編130

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