KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年6月号
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ランドの国際がん医療・研究センターにも1台の手術支援ロボットが導入されています。―内視鏡との違いは。ロボットを使うメリットは。内視鏡は先端部分が開閉するだけの動きですが、ロボットは人と同じような関節を持っています。四方八方微妙な角度で動き、内視鏡と比べて握力も強くなり、細かい作業が可能になりました。2メートルほど離れた場所から操作するコックピットのような複雑な装置の準備に時間はかかりますが、手術にかかる時間はかなり短縮され、患者さんの体に負担をかけない低侵襲治療として現段階で最先端の技術です。―これからはロボット手術が主流になるのでしょうか。ロボット手術は骨盤の奥深くにある泌尿器系の手術に限られていましたが次第に範囲が広がり、2018年から肺の手術にも保険が適用されました。若い呼吸器外科専門医が操作に慣れてくるとロボット手術が主流という時代がくると思います。私よりずっと上手に扱えるようになるでしょうね。また、新技術は患者さんへのメリットが大きいですが、導入の際は安全面に一層の配慮が必要です。私たちは、手術室のスタッフと緊急時を想定した安全講習を定期的に行っています。―ロボットも進化するのでしょうか。ロボット自体の性能は目覚ましく進歩しています。AIを活用する研究も進められているようです。車のように危険察知能力や、蓄積されたデータを分析してどういうタイプのがんなのかを識別する能力を身に付けるかもしれませんね。―技術が進歩するとはいえ、肺がんは予防が大切。主に何が原因なのでしょうか。以前はほとんどの症例で原因はたばこでしたが、最近はその他の要因も増えてきています。はっきりとデータには出ていませんが、遺伝や環境因子などさまざまな要因が重なっていると考えられます。もちろん禁煙は肺がん予防に大切ですが、喫煙者の肺の手術ではたまっている痰たんが大量に湧き上がってきて術後に肺炎を起こすケースがあり、少なくとも手術の1カ月前から禁煙をお願いしています。重症化すると集中治療室に入らなくてはいけないこともあり、特に新型コロナウイルス感染症拡大下では「他の患者さんのためにも、ぜひ」と切にお願いしています。治療への不安やストレスがある上での禁煙はなかなか難しいですが、患者さん自身の頑張りとご家族のサポートで皆さんなんとか禁煙してもらっています。―肺がんの治療方針はどのようにして決めるのですか。他科との連携は。人の性格が様々であるように、がんも一つ一つが違う顔を持っています。CT検査や気管支鏡検査によるがん組織76

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