KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年6月号
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診察をし、移植実施施設との橋渡しを担う例はあります。―最も患者さんが多い肺がんですが、手術の方法はどこまで進歩しているのですか。約20年前、私が外科医になった当時は背中から脇を通って胸の辺りまで大きく切り、肋骨を開き、実際に手を入れてがんを切り取っていました。傷が広範囲なので「回復するまで大変だろうなあ」と当時は思っていました。10年ほどたったころから内視鏡手術が主流になってきました。小さな穴を4つ開けて、先端にカメラが付いた管を入れ、操作しながらモニターで確認し、様々な手術器械で切り取ります。手術操作で肋間神経を刺激するため手術後の数日間は神経痛を起こすことはありますが、肋骨を広げて起きる痛みや、大きな傷跡が残ることはありません。そして5年ほど前からはロボット手術が始まり、現在、神戸大学病院にはダヴィンチ2台、hinotori1台、ポートアイ75

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