データ出典:厚生労働省衆王社会医療協議会総会資料注1)協会けんぽ(一般分)の医科、DPC、歯科、調剤レセプトによって集計(電子レセプトに限る)。DPCレセプトは直接の診療報酬請求の対象としていないコーディングデータを集計対象。注2)「数量」は、薬価基準告示上の規格単位ごとに数えたものをいう注3)都道府県は、加入者が適用されている事業所所在地別に集計注4)[後発医薬品の数量]/([後発医薬品のある先発医薬品の数量]+[後発医薬品の数量])で算出。医薬品の区分は、厚生労働省「各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報」による─国は後発医薬品に対して、どのように考えているのですか。三浦 政府は医療費の増大が見込まれる中で国民皆保険制度を維持するために、医療費を抑制したいと考えています。また、超高齢化社会が進行するにつれて医療費が国や健康保険組合の財政をひっ迫させている現状があります。これらを少しでも解消させる手段として、全医療費の約4分の1にものぼる薬剤費に着目し、国を挙げて安価な後発医薬品の使用促進を推奨しているという訳です。─どのような使用促進策をおこなっているのでしょうか。三浦 まず、数量シェア(使用割合)を重視した目標設定です。厚生労働省は2007が、国が承認していない工程で製造していたとして業務停止命令を受け、その後、業界団体の自主点検でも複数のメーカーで同様の問題が発覚し、結果的に後発医薬品の製造中止により医薬品の欠品が相次ぎ、出荷調整も余儀なくされました。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響で海外からの原薬の輸入が滞っているのも一因でしょう。年、2012年度までに後発医薬品の数量シェアを30%以上にする数値目標を設定し、その後、段階的に数値目標を引き上げ、後発医薬品の使用促進のためのロードマップまで策定して、2018年度までには60%以上、2020年月までに80%以上と目標が設定されています。協会けんぽのデータでは2021年6月時点で80.5%と目標を達成しています(図1)。また、都道府県別でも2023年度中に80%以上の後発医薬品の数量シェアになるように目標が設定され、兵庫県のほか19府県はまだ未達ながらあと一歩という状況で、全都道府県での目標達成は時間の問題とされています(図2)。─数量シェア以外にどのような促進策がありますか。三浦 医療機関に対しての診療報酬上のインセンティブ付与です。2008年には処方せんの様式を後発医薬品の処方を意識したものに変更し、薬局に対しては後発医薬品調剤体制加算(調剤した後発医薬品への図2)都道府県別後発医薬品使用割合(数量ベース)2021年6月診療分:抜粋72
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