KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年6月号
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げていく。それが映像なら、小さい子どもや外国人にもわかりやすく、より効果的に伝わります。最終理想形は、私がやっていたズームイン朝の神戸版。毎朝三宮の駅前から「おはようございます!」って。朝こそライブで、電車が遅れていないか、天気はどうだ、今日は何があるのかを発信する。出掛ける前にこれを見れば神戸の情報がわかるというもの。一番地域情報が欲しいのは朝です。在阪局が地域情報を流すのは昼と夕方のニュース。朝は夕方の半分くらいです。150万人住んでいる街ですよ。間違いなく、需要があります。「TVer」が諸外国から10年以上遅れでようやく同時配信を始めました。キー局にぶらさがり地域情報番組を制作していた人たちが、やっきになって制作に乗り出すはずです。その兆しが見えてきています。─脇浜さんが思い描く神戸の未来は?脇浜 神戸をもっと楽しみたナー)や起業家の育成事業に力を入れているところです。理想の地域メディア脇浜 私は地域メディアに関して、マーケティングの視点は外して、地域情報を地域の血液として循環させるために必要だと考えています。もうひとつ、言っておきたいことがあって、地域情報では、観光は後。すぐに観光と結びつけるのではなく、最初に手を付けるべきは内側で、市民の中でもっと情報を共有して循環させていけば「神戸っていいところ」として広がるはずです。横山 みんな「神戸にはたくさん魅力があるのに伝わっていない」と外への発信に目を向けがち。でも、神戸の魅力を相対的に考えれば、観光では京都に、商業では大阪に負けている。観光やインバウンドを考えるなら、客観的に把握したうえで勝ち筋を探さないといけない。脇浜 新しい地域メディアの方向性は、今までの右肩上がりの資本主義の考え方ではなく、公共性の高いことで起業しようと考えている若い人たちへの期待です。地域のために何かをやるんだという形で出て来て欲しい。横山 本当にその通りだと思います。「Kiss PRESS」は、今の私にできる結論です。膨大な数の読者を集められれば商売にもなるかもしれませんが、それは結果論。地域の情報をどう流通させていくかを最大限やることが目的で、商売優先ではできません。神戸の街を遊び尽くして、食べ尽くしたい─理想の地域メディアとは?脇浜 私が見据えているのは社会の課題解決に地域メディアがステークスホルダーたちをつないでいく姿です。番組で、みんないろんなことを言い合い、番組発のイベントや活動につな34

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