KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年6月号
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えます。今、ネットは5Gの時代になり、動画を扱うのに適した環境になっています。若い人たちは特に動画で情報を得る人が増え、今後も少なくなることはありません。私がやらなくても自然と動画は増え、映像メディアが出てきます。あと何年かかる話なのかだけで、今大切なのは“気づき”です。神戸の人たちは、生まれてからずっとサンテレビと在阪のテレビ局の映像を見続けてきたから、こんなものだと思っている。そこに気づきを与えたくて「078NEWS」や「Good Morning Kobe」を始めました。動画を増やしたいというより、水面に小さな石を投げたら波紋が広がるように「誰にでもすぐできるんだ」と、早く気づいて行動して欲しいです。課題は人材脇浜 もうひとつの大切な要素が「人材」です。記事を書くには、文章に長けている人が、ひとりいればできます。動画はカット割りやカメラワーク、音声、しゃべり方、編集と非常に多要素の技術が必要になります。神戸には、その人材が乏しいのが問題です。横山 僕はマーケティングの視点で見ていますが、神戸は不利な状況にあります。兵庫県には550万人という人口がありながら、民放局がひとつだから下請けの映像会社がほとんどない。今から作れるかといえば、作っても仕事がない。大学や専門学校で教育をしたところで、神戸には就職先がない。結局、経済的合理性だけで考えれば、神戸で何かをしようというのは、間違いになってしまう。それを覆すには、若い世代の街に貢献したい想いしかないんです。「商売を考えずに地元でやろう」「神戸愛でやろうよ」という人間が集まるコミュニティーがないといけない。それもすごい人たちの集まりでないと力を発揮できない。その思いで、ファウンダーズ神戸(神戸市主催、SRCグループが協賛の起業家育成セミ脇浜 紀子(わきはま のりこ) 神戸出身。読売テレビのアナウンサーとして「ズームイン!朝!!」のキャスター、「ミヤネ屋」のレポーター等、25年間にわたり報道・情報番組等を担当。2000年に南カリフォルニア大学修士号、2010年に大阪大学大学院国際公共政策博士号。編著書に「メディア・ローカリズム〜地域ニュース・地域情報をどう支えるのか〜」京都産業大学現代社会学部教授33

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