KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年6月号
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<展覧会情報>とびだせ!長谷川義史展長谷川義史さんの著作絵本原画を中心に、初期のイラストレーション、立体作品など絵本以外の作品も交え、「絵本作家・長谷川義史」のこれまでの創作の軌跡と魅力を幅広く紹介。絵本ライブも開催予定。期間:2022年6月25日(土)〜9月4日(日)場所:姫路文学館 〒670-0021  兵庫県姫路市山野井町84※全国巡回予定られたのは、やはり子どもや若い人たちやと思います。―6月25日から開催される展覧会、タイトルの「とびだせ!長谷川義史展」はインパクトがありますね。毎日放送の「ちちんぷいぷい」で、「とびだせ!えほん」というコーナーをやっていたから、そこからつけたタイトルです。構成や作品選定は、この展覧会を企画してくれた方に全部お任せしています。大体、いつも人まかせなんです(笑)。―そうやってプロデュースしてくれる人が次々と現れるのも、長谷川さんだからこそでは?僕は奥さんのプロデュースでここまでやってこれたし、誰かが動いて僕を導いてくれる。自分は何にもできないんです。僕と何かをやりたいと思ってくれることが本当にありがたいです―妻のあおきさんも絵本作家として活躍されていますが、刺激を受けますか?やっぱり、僕も頑張らなと思うし、絵を描いていて迷いがあるとき、「ここ、どうしたらいい?」とアドバイスをもらえる。奥さんからも意見を聞いてくることもあるし、いい刺激がありますね。ポイントは、お互いに機嫌よく描いているときは、口を出さないこと。迷って聞かれたら、「そこは青がいいんちゃう?」とか言えばいいけど、そうでないと諍いになるから(笑)―3人のお子さんが巣立たれた今、改めて子育てについて思うことは?小さい子どもを育てている親御さんにとっても、子どもが成人してみたら、子育て期は一瞬だったと思うし、その時間は二度と帰ってこない。だから子どもと一緒に遊んで、個々の子どもを尊重してほしい。まさにそれが大切なことだと思います。得意なことを褒めてあげる。せっかく産まれてきたからには好きな道を歩んでほ誰かが動き、導いてくれる子ども時代はなんでも吸収する黄金期しい。そのためにはまず平和でないとあかんのです。―最後に、今、子どもたちに、どんな声をかけたいですか?大人がこんな時代にしているのだから無責任なことは言えないのだけど、本当はスマホやゲームで遊ぶのではなく、できるだけ生身の体を使って遊んでほしい。子ども時代はなんでもかんでも吸収する黄金の時代ですよ。大人になってからの生き方を左右する根本が、子どものときの体験だから、できるだけ外で、妄想して、工夫して、自分で考えて遊んでほしいな。(江口由美)29

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