KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年6月号
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ラッセンさんの『どこいったん』という帽子がなくなる絵本の翻訳をしたのがきっかけです。ブラックユーモアの効いた内容で、怖いお話でもあるので、大阪弁で訳すといい塩梅になるのではという編集部の意図があったのです。これも僕が「やりたい!」と言ったのではなく、編集部から声をかけていただき、やってみると大阪弁がとてもいい味になりました。そこからですね。―2020年にリンドグレーン賞を受賞した韓国の絵本作家、ペク・ヒナさんの作品も多数手掛けておられます。5月発売の新刊『ピヤキのママ』を含めると、もう6冊翻訳させていただいてます。ペク・ヒナさんはお子さんを育てながら作家活動をされています。彼女の絵本は素晴らしいです。ペク・ヒナさんも僕の絵本をよく知っていただいているし、日本で2回お会いしたこともあります。翻訳の仕事は好きですね。―ストーリーの素晴らしさに加え、大阪弁が絵本にマッチして味わいを出していますね。原文のニュアンスを大阪弁でどう表現するか。そのバランスが難しい。作者が言いたいことを的確に伝えるのが最も重要ですから。日本語や大阪弁で置き換える際に、一番わかりやすく、的確な言葉を悩みながら必死で探すわけで、その言葉が出てきたときは、やった!と思います。やりがいを感じるし、すごく楽しいです。―ライフワークにしている絵本ライブはどこで開催しているのですか?絵本の読み聞かせをして、僕がお話をする会で、大きなホールでやることもあれば、小さい会議室や幼稚園、小学校など本当にいろいろです。呼んでくれたら、どこでもやります。―子どもたちからはどんな反応がありますか?毎回絵本ライブをやるたびに、子どもたちや親御さんたちの反応で気づかされることがあります。学校に行って絵本ライブをする時は、終わった後に先生に子どもたちの様子がどうだったかを聞くのですが、「1時間座って話を聞けたことのない生徒が、初めてずっと座って聞いていました!」と教えてくださったときは嬉しかったですね。また小学6年生の女の子が「わたしは1年生からずっと長谷川さんの絵本を読んでいたけれど、同じ本だけど、その都度感じ方が違いました」と話しかけてくれたことも、よく覚えています。僕が絵本を読んだりお話をする一方で、そうやって感想や反応を伝えてくれる。だからライブだし、それが面白いですね。―コロナ禍では中止を余儀なくされたとか。しばらくは絵本ライブをできない時期が続きました。リモートでもだいぶん開催していたのですが、やっぱり目の前に子どもたちがいないのは、反応が見えないので本当にやりにくいんです。今はお客さんの人数を少なめにして開催していただけるようになったので、ようやく生で子どもたちに向き合えますが、コロナ禍の行動制限で一番犠牲を強い気づきをもらう絵本ライブ28

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