KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年6月号
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ません。音楽に上も下もないのですから」日本フィルハーモニー、東京交響楽団などで正指揮者を務め、コロラド、インディアナポリス、ハワイ交響楽団など海外でも指揮をとり、それに平行しながら、沖縄で琉球交響楽団を育て、大阪芸術大学などで教授として後進育成にも力を入れてきた。「音楽は料理に似ていますよ」とも。すね。でも、例えば日本の漫画家は始めから世界に向けて作品を描いているでしょうか。目の前にいる読者に読んでもらうために描いているのではないでしょうか。その人気が日本中へ、そして世界へと広がっていく…。音楽も同じだと思っています」 たとえ今、クラシックの世界で日本が欧米の下に位置づけられていたとしても、「そんなことは気にする必要などありその心は?「素材はすべて同じ。調理方法しだいでフルコースにもなるし、ファストフードにもなる。毎日同じものを食べていては美味しく感じないし、病気になるかもしれない。だから、あらゆる音楽を聴き、それぞれの魅力を堪能してほしいのです」大友さん指揮による音楽が奏でるハーモニーからは無限の可能性、自由さがあふれ出る。(戸津井康之)22

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