本を選ばせていただきました。その中にアンネ・フランクの写真集と沖縄ひめゆりの絵本があります。訪れた子どもたちが本を通じて世界の平和を自分のこととして受け止めてくれたらと今、思っています」と願いを込めて話した。幼いころは本に親しむ余裕がなく、20代になって読書を始めたという安藤さん。「もっと早く文学の世界に触れていればもっと豊かな時間を過ごすことができたのではないかと後悔の念に駆られました。同じ後悔を今の子どもたちにはしてほしくない」と本の森プロジェクトを始めたきっかけについて語った。 招待された市内の子どもたちなど20人が、関係者に迎えられ緊張した面持ちで館内へ。入口正面には「本を通して豊かな感性を養い、想像力を育み、100歳まで青春を生き続けてほしい」と安藤さんが思いを込めて「青いりんご」を設置。吹き抜けの開放的な空間に広がる「しぜんの森」「くらしの森」「げいじゅつの森」など全15の森には、かわいい絵本、楽しい図鑑、難しい本…足元から頭の建築家・安藤忠雄さん50
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