KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年5月号
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ナガサワ文具センター本店―創業当時から文房具屋さんですか。震災で写真や資料など全てを失ってしまい、当時のことを知るのは難しいのですが、明治15年5月に長澤力蔵が「日用雑貨商長澤紙店」を当時の葺合区に創業したと聞いています。文房具に限らず、例えばチリ紙など紙系の日用品を販売していたようです。―140年!長い歴史ですね。文具業界は守られてきたのでしょうね。私どもを含め、全国に多くの老舗の文房具屋さんやメーカーさんがあります。しかしここ二、三十年、流通の変化もあり商売の在り方が大きく変わる中、文房具屋の数はかなり減ってきました。―どんなふうに変わってきたのでしょうか。お客様の物の買い方が変わりました。法人市場では御用聞きのようなアナログ的な方法でご利用いただいていたものが、通販の占める割合が大きくなりデジタル化に向かってきました。「文房具は文具屋さんで買う」というのが当たり前だった小売市場では、30年ほど前から異業種の店舗展開や量販店での文具取り扱いが増え、お客様の文房具購入の選択肢が増えてきました。さらにディスカウント店が出現し、文房具屋は厳しい状況になってきました。―2002年、厳しい状況下での社長就任だったのですね。私の父である四代目・長澤基夫が急逝し、私は社長に就任することになりました。厳しい状況下、何の準備もなく引き継いだ私を仕入先様をはじめ多くの方々に気遣って頂きご支援頂きました。社外的には、ジュンク堂書店の工藤(恭孝)さんには公私ともにお世話になり、ジュンク堂三宮店増床のタイミング大きく変わってきた文具業界43

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