KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年5月号
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五輪で印象に残った 日本選手の活躍尾山 冬の北京五輪では、フィギュアスケートの坂本花織選手の銅メダルが印象に残りました。兵庫県にはスケートの長い歴史があります。平松純子さんは子どものころ、六甲山の凍った池で滑っていたそうです。ところが今、神戸には常設のスケートリンクがない。三木谷さんのところで作ってもらえないかなあ…。三木谷 いや、それは︵笑︶。冬の五輪では女子アイスホッケーやカーリングもよく頑張っていましたね。尾山 スピードスケートでは高木菜那・美帆姉妹をはじめ、日本チームのオランダ人コーチのヨハン・デビッド氏の指導の成果が出ましたね。実は2013年に橋本聖子さんから相談を受け、オランダ人コーチの採用を強く推薦しました。結果につながって良かったと思っています。三木谷 夏の東京五輪では柔道の大野翔平選手ですね。〝日本の柔道〟を見せてくれました。尾山 柔道男子はロンドン五輪では金メダルを取れなかったこともありましたが、東京五輪では多くの柔道選手のメダル獲得で、日本チームが波にのりましたね。三木谷 阿部一二三・詩兄妹も強かった。水泳の池江璃花子選手は病気を克服して這い上がってきた。すごいなあと思いました。 低年齢から一つの競技に 集中する必要はない尾山 概ね25歳から40歳のミレニアル世代と、それ以下のZ世代ではスポーツに対する思考に違いがあると思います。例えば、30代後半を超えてくるとランニングもフルに走ろうとしますが、ミレニアル以下の若い世代は楽しんで走ろうとします。スケートボードやスノーボード、サッカーではもっと若い選手が活躍しています。大きな影響力を持っていてスポーツ促進という意味でもとてもいいことです。一方、身体に対する影響は考える必要はあります。1980年代後半、私がアメリカにいた当時、18歳以下でバスケットのような激しい運動はさせないという規制があり、私自身がバスケをやっていたので印象に残っています。最新のデータではありませんが、日本人女性の場合、身体の発育形態は16~17歳ぐらい、男性はその1年後ぐらいに出来上がるといわれ、それ以前に体操やフィギュアスケートなどに集中していいのか?という疑問を私は持っています。三木谷 そう思いますね。サッカーの場合は足を使いますから若くないと神経が発達しないといわれ、今は幼稚園児から始めます。例えばアメリカではシーズンによって所属するクラブを変え、バスケやサッカーをやっていても、冬になるとスキーやアイスホッケーをやるというように、一つの競技に集中はしません。尾山 私もアメリカのやり方は大賛成です。「この道一筋」だと、どこか鍛えられない部分が37

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