KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年4月号
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お腹の中で食べたものを栄養に変え、体のあちこちに分配する消化器。たくさんの臓器が関わっているようです。それぞれの働きや起きる病気と治療法、大学病院消化器内科として担う役割など、児玉裕三先生にお話を伺いました。―消化器内科で治療する「消化器」とは体の中のどこからどこまでを指すのですか。食べたものは口から入り喉を通ります。ここまでは主に耳鼻咽喉科や口腔外科が扱う範囲です。そこから食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肛門へと進む管の部分を消化器内科がカバーします。さらに、膵臓から分泌されるいくつもの消化酵素を含む「膵液」と肝臓から分泌され胆のうに溜められる「胆汁」が十二指腸にある小さな穴「乳頭」から分泌され、食べ物が消化されるのを助けます。また、腸管から吸収される栄養素や毒素は血液にのり肝臓に戻り、代謝、解毒、合成、蓄積され、体中へ分配されます。ですから、管の部分に、胆道、肝臓、膵臓の3つを加えたのが消化器内科で扱う臓器です。―消化器は範囲が広いのですね。いくつかの専門分野に分かれているのですか。そうです。神大病院消化器内科には5つのチームがあります。その中で臓器別には、食道から大腸に至る「消化管」と「肝臓」「胆膵」、この3チームに分かれています。―臓器別にはどんな病気が多いのですか。消化管で最も多いんのは食道がん、胃がん、大腸がんです。内視鏡で早期に発見できれば外科手術は受けずに、がんの切除も内視鏡で可能です。胆膵チームでは一般的な胆石やそこから発症する胆管炎、膵炎などの治療をしますが、やはり多いのは胆道がん、膵がんです。ウイルス性肝炎の治療が可能になってきた一方、食生活神大病院の魅力はココだ!Vol.8神戸大学医学部附属病院消化器内科児玉 裕三先生に聞きました。92

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