KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年4月号
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かかる見込みのようです。糖尿病は生活習慣と遺伝子が関わる病気ですが、エピジェネティクス(遺伝子発現を制御・伝達するシステム)が生活習慣により規定されている─身近な病気、例えば認知症や糖尿病はどうなるのでしょう。長谷部 残念ながら現状では本格的な認知症薬は実力不足で、患者減少までには時間がことが解明されつつあり、その分野の研究が進む20年後くらいには解決するのではないかということです。─感染症はどうなるのでしょう。長谷部 新型コロナウイルス感染症では、発見の2か月後にはゲノム解析によりウイルスのすべての遺伝子配列がわかり、他の疾病で活用予定のmRNAワクチンを応用して1年未満で劇的な効果をあげています。また、ACE2というタンパク質が重症化や後遺症に大きく関与していることも判明しつつあります。人類と感染症の闘いの長い歴史において、今回の対応はこれまでにないめざましいもので、このような知見を蓄積して研究が進めば、2030年頃には感染症の恐怖から開放されるという予測だそうです。─医療の形も変わっていくのでしょうね。長谷部 医師がいないAI診療や、がん手術でカーナビのようにどこに腫瘍があるか教未来医学研究所代表の奥真也先生が講演。「人生120年」となる可能性は大いにあり、地域の医療と介護、それを支える地域包括ケアシステムがますます重要になる90

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