KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年4月号
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メイク・ア・ウィッシュ オブジャパンの活動についてはこちらからご覧いただけますhttps://www.mawj.org/と思いを馳せ、実現したらもっと大きな夢を心に描く。そして、「病気になっても人と共に喜び、人を喜ばせる存在だ」と子どもたちは気付く。「夢を持つことの大切さ、手をつないで生きることの大切さ。この2つを子どもたちが教えてくれます」というメイク・ア・ウィッシュの強い思いが伝わってきた。夢から始まり、世界を変えるまでに至ったことに感動を覚えます。でも決してそれは『病気だからかわいそう』という思いではないのです」。大野さんはいくつかの事例を紹介しながら話した。5歳で筋ジストロフィーを発症した吉村和馬君。当初は「もう一生笑うことはない」と諦めかけていた家族だったが、「元気なうちにいろんな街を自分の足で歩かせたい」と一駅ずつ電車に乗り各駅の沿線を歩く旅を計画した。京都の自宅から阪神甲子園を制覇し、ゴールに定めたのは阪神甲子園駅。そこでかなえたい夢をメイク・ア・ウィッシュに相談した。6年間続いた旅のゴール甲子園球場へ車いすを押しながら自力で到着した和馬君は「憧れの赤星憲広選手に会う」という夢をかなえた。「メイク・ア・ウィッシュを通して伝えた和馬君の願いに応えゴールで待っていてくれた赤星選手。感動のあまり気の利いた言葉も出ません。そして『僕はこの病気になったお陰で神様からいろいろな贈り物をもらいました。それは友達やたくさんの仲間です。早く治ってほしいけど筋ジスは僕のトロフィーです』という和馬君の言葉にみんなが幸せな気持ちになりました」「バットマンになりたい」という男の子の夢の応援にサンフランシスコ市民1万人が駆け付け、配信されたYouTubeを64万人の人たちが視聴した。「応援した人、見た人、話した人、聞いた人、世界中の人たちをハッピーにしてくれたのです」「遊園地へ行きたい」「野生のイルカと泳ぎたい」「絵本を作りたい」「自転車に乗って風をきって走りたい」…実現できない夢があってもめげずに次の夢へ進藤尚子さん83

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