KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年4月号
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ちだったことから、海&港町に憧れがあったんです(笑)。会社勤めの傍ら、趣味で作り始めたカレーに没頭し、週末の間借り営業を経て、最終的には脱サラして自分の店をオープン。移り住んできて大好きになった神戸の名物として、大好きなカレーを…との思いから「#神戸をカレーの街に」という活動に注力していたこともあり、このプロジェクトにはぜひ参加させてもらいたいと応募しました。…150件以上の応募があったとか。すごい倍率ですね。曹 投票数ではマンドリルさんとラジクマさんが突出していましたね。圧倒的な人気を集めた2店に即決でした。深澤 選ばれると思っていなかったので、嬉しいし、頑張りたいなと思いました。祖父が元町で商売をしていて、幼い頃から老祥記の豚饅をよく食べていましたから「偉大なる豚饅にお前、何をやっとるんや!」と祖父ちゃんに怒られへんかなとちょっと心配も(笑)。片山 オープン3年目の新参者が混ぜてもらう緊張感はありましたが、それ以上に自店以外の技術を得られることへの期待感が大きかったですね。カレー好きとして光栄なチャンス、これを機会に少しでも成長できれば嬉しいです。…開発への道のりはいかがでしたか?曹 うちの豚饅の特徴である肉々しいミンチとカレー味の兼ね合いがポイントです。食べた時のカレー感の出し方が、各々の個性があって楽しいですね。深澤 僕達の老祥記の味のイメージは、麹を使った皮の甘い香りが口に広がった後、肉の旨味が来る。その順番はしっかりキープしながら、「おっ!」と思える新しいものを作りたいと考えました。そこで見た目は普通だけれど、食べると「カレー豚饅やのに緑」と驚いてもらおうとホウレン草を使ったサグカレーの豚饅に挑戦しました。曹 ホウレン草とひよこ豆を使ったカレーですよね。しっかりスパイスを感じて、肉々しいのに重くなく、さらにトマトベースの真っ赤なソースをつけて楽しめる新感覚の豚饅。深澤 ついクセで、おまけをつけたくなるんです。曹 ラジクマさんは看板のキーマカレーをベースにした王道豚饅です。大人向けでかなりパンチのきいたスパイシーなカレー豚饅。うちのミンチをスパイスと炒めて使っているので、香りが抜群にいい。片山 香りと包みやすさにこだわりました。カレーってお皿で提供した瞬間に香りが立つものなので、皮に包まれていったん落ち着いてしまったものを、かじるなり、割るなりした時のスパイスの爆発具合に悩みました。また包みやすさも、最初はキーマカ老祥記 曹さん66

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