KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年4月号
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―新しいビジネスの創生についての今後は。齋藤 起業の支援には若い世代の方が兵庫県で活躍していただきやすい環境づくりがまず必要です。また、大学生になるもっと前から起業についての教育をすることがチャレンジする姿勢にとって大切だと言われています。そこで中高大学生を対象に「ひょうごスタートアップアカデミー」を4月から開始し、実践的プログラムを実施します。いわゆる「ユニコーン企業」として成功するだけではなく、社会課題を解決していくためのスタートアップが大事になってきています。若い人たちが、私たちには思いもよらないアイデアを出してくれるかもしれません。テクノロジーと県民の困りごとをうまく融合させる取り組みを進めたいと思っています。久元 神戸市ではスタートアップの支援策に早くから取り組み、2016年には「500スタートアップス(現在は500グローバルに名称変更)」と連携した起業家育成プログラムを日本で初めて展開しました。そこからITを中心とした企業が神戸でビジネスをスタートしています。社会課題を解決するスタートアップの需要が増え、17年から行政とスタートアップが協働する「アーバン・イノベーション神戸」を始めました。行政から仕様書を出して入札にかけ値段で決定するという従来の方法ではなく、実務的に職員が困っていることを提示して、解決してくれるスタートアップを募ります。今までにない発想を取り上げ、スタートアップが持つアイデアの実験場所が提供でき、さらにディスカッションする職員の意識も変わり新しい発想が生まれます。神戸にとどまらず、日本中に広めようと「アーバン・イノベーション・ジャパン」として展開されています。神戸医療産業都市ではイノベーション拠点として「クリエイティブラボ神戸(CLIK)」を開設し、2階の「スタートアップ・クリエイティブラボ(SCL)」にはライフサイエンス分野のスタートアップが集積し始めています。しかし、これからのスタートアップは最先端の分野に限らず、例えばキッチンカーのような手ごろなやり方まで含め、新たにビジネスを興すということが経済社会を活性化させ、イノベーションの動きが生まれてくると思います。幅を広げ、厚みのあるスタートアップが集うまちになるためにはまだまだやるべきことがあります。齋藤 スタートアップの資金面からの支援として神戸市と連携し「ひょうご神戸スタートアップファンド」を2021年3月から始動し、既に4社への投資が完了しています。今後も神戸市と連携を強め、協力しながら兵庫、そして関西全域の経済・文化の活性化を図っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。久元 こちらこそよろしくお願いいたします。(3月4日、兵庫県庁にて)「ひょうご神戸スタートアップファンド」を設立46

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