KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年4月号
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口の受け皿になるような取り組みを兵庫県と一緒に進めていきたいと思っています。齋藤 ポストコロナ社会ではワーケーションなど都会の密を避けた多様な働き方が展開されるはずです。パソナさんがやって来た淡路島が一つの拠点となり、それを取り囲むベイエリアと一体性を持って県全体を盛り上げていく可能性に期待しています。いろいろな意味での多様性を受け入れ、人やモノや投資が集まる地域にしていくためにSDGsの切り口が大切です。2022年度から、環境だけでなく地場産業や農林水産業、観光にもSDGsを積極的に取り入れ、今までの取り組みも含め「見える化」を図っていきます。そうすることで投資や観光、購買の対象として「兵庫がいいな」と思ってもらえるよう、万博に向けて「HYOGO」を世界に発信し、じっくりと無形の価値を確立していこうとしています。います。西宮には佐渡裕さんが芸術監督を務めておられる兵庫県立芸術文化センターがあり、丹波篠山には兵庫陶芸美術館もあります。コロナ禍でも文化芸術が人々の心に果たす役割は非常に大きなものです。2022年7月には県民の皆さんに文化芸術に無料で親しんでいただけるように「県民プレミアム芸術デー」を実施予定です。久元 兵庫県のような無料の企画は今のところはありませんが(笑)、若い時から文化・芸術に触れていただけるよう、市立博物館、小磯記念美術館では高校生以下は無料、大学・短大生は半額としています。齋藤知事がおっしゃる通り、コロナ禍でも文化・芸術は大切です。昨年から今年にかけ「神戸国際フルートコンクール」をオンライン開催するなど、コロナの影響で演奏の機会がないアーティストがまちの中でコンサートができる取り組みを進めています。老朽化した神戸文化ホールの移転、西区に図書館とホールの複合施設の開設など、インフラ整備も進めています。兵庫県と相談し―文化・芸術がコロナ禍で停滞する中、「こども本の森 神戸」オープンは久々に明るい話題ですね。久元 震災直後から神戸を見守っていただいた安藤忠雄さんから素敵なプレゼントを頂き感謝しています。東遊園地の芝生広場も自由に使い、思い思いに子どもたちが読書に親しみ、さらに震災の記憶をしっかりと心に刻み未来へと引き継いでいってほしいという安藤さんの思いが込められています。齋藤 安藤忠雄さんの建築作品はすばらしいですね。数ある中の一つが兵庫県立美術館です。先日、蓑豊館長ともお話ししたのですが、美術館を情報発信の拠点、そしてHAT神戸を震災の記憶を留める拠点としていきたい。さらに万博開催時には、海からのアクセスの良さを活用して美術館周辺一帯に人を誘う仕掛けづくりを考えてコロナ禍で文化芸術が果たす役割41

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