KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年4月号
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|本の中に『タンゴを語る時「情熱」「官能」「哀愁」「魅惑」を禁句にしてはどうだろう』とあります。今日も禁句ですか?(笑)その真意は?「情熱」ってどの音楽にもあるでしょ(笑)。情熱があるから練習して、舞台では何かを届けたいって「情熱」をもって演奏するわけですから。それにタンゴの国といわれるアルゼンチンの人たちの気質が情熱的かと言ったら、そんなことはないですし。「情熱」の国が生んだ「魅惑」のタンゴ。「官能的」なダンスと「哀愁」のバンドネオン。これで完成しちゃう。イメージだけで表現されている気がしていたんです。カルチャーって、そんなに簡単でワンパターンなものではなく、本流があれば邪道もある。保守的なもの、革命的なもの、ユニークなもの。どれかだけをピックアップしてそれだけを見るのは危険だな、って思うんですよ。思い込みじゃなくて、もっとちゃんと知って欲しいなと思って書いた本です。|シンプルにお聞きします。タンゴってどんな音楽?アルゼンチンに渡ったヨーロッパ系の人たちが作った音楽。アルゼンチンの中でもブエノスアイレス限定です。土着の音楽ではないので、民族音楽というジャンルにも当てはまらないんですよ。クラシックのムーブメントをベースに、移民たちのそれぞれの国の音楽が入り混じっています。面白いのはね、ダンス音楽でありながら黒人が作った音楽ではないってところ。リズムが特徴的なのに、黒人音楽の特徴でもある打楽器は元々入らなかったんです。室内楽みたいな編成で、リズムも他の楽器が担当します。|ダンスは頭に浮かびます。セクシーな衣装を着た女性が毅然と踊る感じ。それは競技ダンスですね。首を激しく横に振るアクロバティックな…(笑)。イギリスに渡ってそうなったんです。他人に見せるためには、派手なパフォーマンスと衣装が必要だったのでしょう。もともと人に見せるためのダンスではないので、首は振りませんし、セクシーでもありません。本来のタンゴは「ダンスによる会話」が僕のイメージです。|タンゴを奏でる「バンドネオン」ってどんな楽器?蛇腹楽器の一種です。アコーディオンとの違いを聞かれることが多いのですが、見た目の違いを簡単に言うと、縦長の長方形がアコーディオン、横に伸びるのはバ楽器について楽器についてタンゴの真実を知ってほしいタンゴの真実を知ってほしい33

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