KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年3月号
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―骨粗しょう症とは骨にどんなことが起きているのですか。骨の回りの皮状の皮質骨が薄くなり、骨の内部のスポンジ状の海綿骨の密度が落ちて〝スカスカ〞になり、さらに全体の骨の質が落ちて〝ボロボロ〞になり潰れやすく、骨が折れやすくなります。―検診などで測る骨密度で分かるのですか。診断の根拠になるのが骨密度です。検診などでは主に踵骨(かかとの骨)の骨密度を測りますが、診断・治療に進むには体幹に近い腰椎と大腿骨の骨密度を基準にします。踵骨の骨密度はあくまでも目安ですから「骨密度が下がっています」と言われても「もう全身の骨がスカスカボロボロだ」と落ち込む必要はなく、逆に「大丈夫ですよ」と言われたからといって必ずしも安心材料にはなりません。―なぜ骨密度は落ちるのですか。 人間は男女とも誰でも20歳を過ぎるころから骨量は下がり始めます。男性は一定のスピードで下がりますから骨粗しょう症の域に入ることなく一生を神戸大学医学部附属病院整形外科 第4回健康寿命に関わる「骨粗しょう症」のはなし数値は気になるけれど、治療を受けるという発想はあまりない骨密度。特に女性はある年齢を過ぎたら受診してほしいという西本華子先生に詳しくお聞きしました。神戸大学医学部附属病院整形外科 特命助教西本 華子 さん92

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