KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年3月号
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し、手術もしています。スポーツリハビリにも取り組んでいますね。神戸大学は野球やサッカーのチームドクターをいろいろ務めていますからね。手術後のスポーツ選手は日常生活ができるというレベルをはるかに超える、高いレベルでの機能回復を求めます。スポーツ担当の理学療法士は、リハビリ専門医や主治医の指示に従って、整形外科医の手術の成功に大きく貢献しています。人員が十分というわけではないにもかかわらず、理学療法士たちが高い意識を持ってがんリハビリやスポーツリハビリに取り組んでいる。これも神大病院の大きな魅力です。酒井先生先生にしつもんQ.気分転換の方法は。A.自分が食べたいものを、自分で作ること。スーパーへ行って買い物をしたり、たまに旬の食材を頂いたりしたら、レシピを検索します。主にクックパッド。メジャーやスケールできっちり材料を量り、時間もタイマーをセットして、レシピ通りに作り、最後は自分好みに味を調えます。以前は普通にしていたジムでの気分転換も控えているので、いま一番の楽しみは食べることですね(笑)。Q.酒井先生はなぜ医学の道を志したのですか。A.高校2年生のとき、母が手術を受け入院しました。家族はとても困って、みんな落ち込んで暗くなってしまいました。「早く元気に帰って来てほしい」という思いが、医学部進学を目指すきっかけになりました。まわりに医者は一人もいない家系ですから「医学部に行く」と話すと、両親は困惑(笑)。結果的に、患者さんのADLを回復させて自宅に帰ってもらうリハビリテーション科の専門医として初志貫徹できて、今では両親も喜んでくれています。Q.日頃、心掛けておられることは。A.怖い顔や深刻な顔で患者さんに接することのないよう気をつけています。不安な気持ちでいっぱいなのに、私も怖い顔でお話ししたらますます不安になりますよね。深刻にならざるをえない場面も多いのですが、だからこそ「ほがらか」「にこやか」を心掛けています。 もう一つは患者さんのニーズを聞くこと。エビデンスがあり私たちが「これがいい」と思うものがあっても、「それで本当に患者さんはハッピーなのか?」と考えます。どんなことを大切にしているか、どんな生活を送りたいか。私ではなく、決めるのは患者さん自身です。そこに齟そご齬があるとしたらすり合わせをしながら進めるようにしています。91

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