KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年3月号
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11月からは軽症患者を、その翌月からは中等症Ⅰの患者も受け入れるようになりました。翌年1月には西宮の施設を医療強化施設に指定し、療養中に呼吸状態が悪化した患者に病院搬送まで一時的に酸素吸入をおこなうようになりました。医療強化型宿泊療養は全国に先駆けての取り組みだったのです。─第4波ではそれでも追いつかないくらいになりましたね。平林 2021年4月に姫路、5月に神戸に医療強化施設を設置して増強、中等症Ⅱの患者の受入も開始し、酸素飽和度低下症例には直ちに酸素吸入できる態勢を整え、デカドロン(ステロイド剤)投与も開始し、第4波・第5波では治療施設としても機能するようになりました。─たくさんの命を救うことができたのでしょうね。平林 2021年4~5月をピークとした第4波2675名、8~9月をピークとした第5波5843名の宿泊療養者2020年10月スタートしました。かかりつけ医が中心となり、空間的または時間的に発熱患者と一般患者の動線を分け、感染防止機器を設置するなど安心して受診できる環境を整えた医療機関に手を挙げていただき、現在1400以上の医療機関が指定を受けています。一般の医療機関で対応できるようになったのは、唾液でPCR検査ができるようになって検査者の感染リスクが低減されたことと結果がすぐに判明する抗原定性検査が普及したことも大きかったと思います。─宿泊療養施設ではどのような役割を果たしましたか。平林 ホテルを活用した宿泊療養施設については報道などでご存じかと思いますが、コロナ病床逼迫へ対応し、通常診療を守り、医療崩壊を防ぐために重要な施設になりました。これまでにないこの療養形態に対し、医師会では診療科を問わず多くの会員が関わりましたが、その際には必ず感染防御対策に関する研修を受けています。また、施設での医療の標準化をおこない、マニュアルを策定し、状況に応じて医療行為の範囲について随時検討してきました。─状況の変化にあわせて、臨機応変な対応が求められたと思いますが。平林 2020年4月の運用開始から第2波が落ち着いてきた10月頃までは、PCR陰性化確認までの療養施設として機能しましたが、第3波で感染者が連日100名を超えてきた帰国者・接触者外来国内流行当初PCR検査件数の制約2020年7月~医療従事者への感染と風評被害2020年10月~地域の医師会ごとに設立インフルエンザとの同時流行に備えて設置指定数 1,400機関以上(2022年1月現在)地域外来・検査センター発熱等診療・検査医療機関(図1)外来医療体制85

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