い」とかないでしょ。S 漫画『BLUE GIANT』が生まれた街だね。―仙台、広瀬川のほとりでサックスを吹き始めた主人公が、世界1のジャズプレイヤーを目指す物語ですね。この漫画がきっかけで、楽器を始めた人、ジャズを「初めて聴いた」人も多いようです。K JAZZ WALKが、そんなふうにジャズを知ってもらうきっかけになるといいね。シンプルに「多くの人にジャズを聴いてもらう」のが目的のイベント。お店同士がつながって、大きな輪になって、聴いてくれる人が仲間になって、さらに大きくなれたらいいな、というのが僕たちの気持ちです。S 基本、夜のみ営業のお店ばかりだから、暖かい春の日曜日の午後にジャズ散歩、いいチャンスと考えてほしいな。この機会に好きなお店を見つけて欲しいよね。―はしごジャズ、みたいな感じですね。初めて行く人には気軽でいいと思います。夜、初めての、しかもジャズのお店に入るって、けっこう勇気がいると思うので。S まずは、お茶を飲みに来る感覚で来てもらってもいいよね。ソネは「レストラン」なので、食事も大歓迎です(笑)。他のお店との違いは、BGMが生演奏です、って話。恋人同士でコソコソ話をしながらもいいし、一人でもいい。コンサートホールとは違うってことを、まずは体感してほしい。K それに、ジャズとはいうものの、クラシックやシャンソンやポップスも時々演奏に入るでしょ。正直、ジャンルの線引きってあまり難しく考えていなくて、そういう全部ひっくるめて「ジャズ」ってところも来店して聴いてもらわないと伝わらないかもしれない。 母がよく言うんだけど、ジャズは大衆音楽。楽しむものだよって。難しい顔して聴くものでもないし、ジイーッと聴いてるものでもない。S だって、プレイヤーがまずは楽しんでいるからね。この数年で動画配信を始めたミュージシャンは多いけれど、やっぱ違うな、って思っているでしょ。K それはあるよね。小さなスピーカーでは味わえない生音と、プレイヤーの表情や息遣い。お客さん同士の会話やお酒をかき混ぜる氷の音。そういう、いい意味で雑音があるのもお店の良さじゃない?S そこは、僕も好きなところ。一人一台スマホがあって、各自好きな音楽が好きな時に聴ける。それはすごくいいことなんだけど、じゃあお店に来てもらう意味を考えたとき、やっぱり聴く人がいて音楽を奏でる人がいて、飲食や会話を楽しんでいる人がいて、全部ひっくるめて楽しんでいる僕がいる(笑)。ジャズってなんかいいよね、って。K それすごく大事!僕も楽しんでる(笑)。ジャズってなんかいいよね。S そういう感じでいいよね。K うん。音楽だからね。~開店前のソネにて~40
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