KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年2月号
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「ヘアサロンではカット、パーマ、カラーといった感じで仕上げますが、テレビの現場では常にスピードや判断能力が求められます」。そう語るのは、ヘアメイクアップアーティストの松村美佳さん。今日も画面に映し出される多くの芸能人がその人柄と技術に信頼を寄せる。東灘区出身、あたたかい家庭で育ち水泳選手を夢見た幼少期。勉学に励み私立中学への進学を控えた小学6年の冬に震災を経験した。「あの時から悔いのない人生について考えるようになった」と当時を振り返る。高校時代、チークやリップで自身の顔を染め気分が明るくなった。それがきっかけでメイクの世界に興味を持ち進路は大学、美容専門学校のダブルスクールを選択した。卒業後はプロダクションで腕を磨き独立。現在、神戸と東京に事務所を構え忙しい日々を送っている。「休みの日は神戸の街を散策します。美術館や有名建築を巡ると生き方のヒントが学べます。最近はSNSにも目を通し流行りをチェックしています」。この日は自身がオーナーを務めるお店で後進の育成にあたっていた。「クライアントの意向に寄り添いながらも少し自分のアイデアをいれていきます。これからもタレントや仕事に関わる全ての方をハッピーな気分にしていきたい」と語る松村さん。弛まぬ努力で築き上げてきたその技は、瞬時に人を喜ばせる「魔法」だ。第九十八回「今日という日を大切にしたい」ヘアメイクアップアーティスト・松村美佳さん神戸のカクシボタンkakushi button写真/文 岡 力ヘアメイクが完了すると光り輝く舞台へ送り出す現状を把握しその日のベストを引き出す仕事■岡力(おか りき)コラムニスト・放送作家ふるさとが神戸市垂水区。関西の大衆文化をテーマとした執筆・テレビ、ラジオ番組を企画。連載「のぞき見雑記帳」(大阪日日新聞)「あての履歴書」(大阪スポーツ)■松村さんのお店 『OWL』【アウル】神戸市灘区篠原中町1-5-23シティライフ六甲S 01号※阪急六甲駅から徒歩3分95

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