KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年2月号
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る」という趣旨が記されています。ここには「がん患者のためのケア」と限定する文言は書かれていません。 例えば何度も繰り返す心不全や腎不全、治癒が難しい神経難病、認知症でも患者さんとご家族は様々な苦痛を抱えます。このような場合も緩和ケアの対象と考えます。ただし、日本の場合、緩和ケアの保険適用ががんとHIV、一部の心不全に限られていて、まだまだ広く行き渡らないという実情があります。―緩和〝支持〟治療とは。大学病院の患者さんは基本的に治療を目的としています。「Supportive Care=支持治療」は治療に関連した痛みなど体の苦痛をできるだけやわらげて、治療が円滑に進み治療中断などに至らないよう「治療をサポート」することです。がんの場合、抗がん剤や放射線治療による吐き気やしびれ、痛みなど、治療によって被る苦痛や副作用を軽減します。単に症状を軽くするだけではなく、例えば喉の放射線治療で87

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