引き受けるのかも課題とのことです。また、緊急事態宣言は政治的に決定すべきで感染症の専門家がおこなうものではない、感染症の専門家は措置法第5条(基本的人権の尊重)にある「必要最小限」を「必要十分」と勘違いしているなどの問題点を挙げて、今回のコロナ対応の答合わせは次の新たな感染症が発生した時に出ると指摘されました。感染対策は結局、一飛沫感染、接触感染、空気感染が考えられ、飛沫は最長2m飛びますが数秒で落ち、空気感染はそれほど心配する必要はないそうです。そのことを踏まえた上で、対策としてはハザード・ベースド・アプローチとリスク・ベースド・アプローチを分けて考えることが大切で、後者は社会的な副作用も大きいので社会全体で検討しなければならず、コロナがもたらす“非日常性”を誰が人ひとりの対応にかかっているというお話も印象的でしたね。─第二部はどのようなメンバーでおこなわれましたか。山本 第二部のシンポジウムは基調講演の森井先生のほか、衆議院議員の中野洋昌さん、尼崎市医務監の郷司純子先生をお迎えし、尼崎市医師会からは、病院の立場から松森良信先生、診療所の立場から矢野雄飛先生がパネリストに加わり、内藤彰彦先生と中川純一先生の司会で議論が交わされました。─政治の立場からはどのような意見がありましたか。山本 中野さんは国民皆保険、フリーアクセスの現在の医療は大変素晴らしいが、日本は民間医療中心で高齢化に対応していたところ、今回のような有事に対応する力が弱かったと思うと指摘した上で、今後は限られた医療資源をどのように守るのかが課題であり、そのためにも地域の中での信頼関係が大切だと話されました。基調講演では、日本医師会総合政策研究機構主任研究員の森井大一先生に、感染症専門医の視点からお話しいただいた84
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