KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年2月号
76/128

─経済学者としてどのような研究をされてきましたか。専門は計量経済学です。経済学と統計学と数学の三位一体なんですが、僕はそのどれも突出していないけど、3つ合わせたら何とかなると。─出井さんも同じ神戸大の教授でしたよね。二人とも神戸大卒なんですが、出井さんは3つ先輩で、兄弟弟子みたいなところがあって、僕がまだ学生の頃から親しくしていました。出井さんは物静かで思慮深いのに、なんでおしゃべりで慌て者の僕と仲が良いのかって、みんな驚くんです。でも研究の根底にあるところでは通じるところがあったのかと思います。─定年になって、自分の著書を全部捨てたそうですが。捨てた訳じゃなく古書店に神戸大学名誉教授得津一郎さん インタビュー定年になって︑自分の著書を古書店に全部まとめて買ってもらった永遠の友情が昇華したかけがえのない「俳版画」ともに神戸大で学び、教鞭をとってきた、得津一郎さんと故・出井文男さんの二人展が昨年開催された。得津さんのモダンで素朴な版画と、出井さんの飾らずとも心に響く英語俳句のコラボには、絶妙なマッチングで不思議な魅力に満ちている。展覧会開催の経緯や、亡き友への思いを、得津さんに伺った。76

元のページ  ../index.html#76

このブックを見る