KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年2月号
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大きな被害にも遭わず、昔ながらの風情を残している。一方で駅に遠くて、坂道もあり道も狭く、古い住宅も多い。ゆえに転入が比較的少なく、少子高齢化や空き家が問題となっている。だが、実は神戸の都心に近く緑も豊か、コミュニティの温もりも昔ながらで、特に子育て世代にとって魅力があるエリアだ。そんなこの地域に、サスティナブルでナチュラルな暮らしという可能性を付与することを視界に捉え、NATURE STUDIOは「自然と暮らす地域をつくる」をコンセプトとしている。さらに住民のニーズにも応えながら集客機能も持たせることで、地域の賑わいと交流を創出しようとしている。なるほど、ここにオープンするすべての施設がその方向性に合致しており、相乗効果をもたらしそうだ。実際に施設間の連携にも力を入れ、例えばハーブショップが育てた苗を、就労支援施設のメンバーが庭で育て、収穫したら調理してフードホールで提供するといったような〝チームワーク〟がNATURE STUDIOの一体感を生むに違いない。そして、「地域の活性化を視野に、じわじわとプラスの影響を波及させていきたい」と村上さん。近隣の平野展望公園や、烏原貯水池周辺でも再生プロジェクトが進行中で、それぞれが連携し合いながら兵庫山手一帯の存在感と価値が向上すれば、いまいち元気のない神戸に少なからず刺激を与えるだけでなく、地域おこしのモデルケースとして全国に発信できるだろう。株式会社村上工務店代表取締役社長 村上 豪英(むらかみ たけひで)1995年の阪神・淡路大震災の経験から、まちに対する愛着を実感。仕事を通してまちと自然の両面に貢献することをめざしてシンクタンクに入社。村上工務店に転職後に発災した2011年の東日本大震災を契機に、建築業の範疇を超えて、地域を活性化するための諸活動をはじめた。神戸モトマチ大学、アーバンピクニック、Street Table 三ノ宮の活動を経て、現在は「NATURE STUDIO」オープンに向け準備中NATURE STUDIOの最新情報はSNSをご確認ください。NATURE STUDIO(運営委託 リバーワークス)お問合せ TEL.078-381-6450https://naturestudio.jp公式ホームページ65

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