KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年2月号
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ります。低酸素状態が改善され老廃物が出て行き酸性に傾いているがん細胞の周辺環境が中和されるなど、さまざまな治療効果が期待されます。₂₀₂₂年度に本格的に導入予定です。―藤井先生はなぜ医学を志されたのですか。 私は淡路の田舎育ちで、大正生まれの両親は戦争に翻弄された世代です。優秀だったにもかかわらず家庭環境もあり高等教育を受ける希望を叶えることができなかった父はいつも﹁残せる財産はないけれど、やりたい勉強をさせてあげる﹂と言っていました。そんな父が、高校₃年生の兄が﹁医学部に行く﹂と言ったときには大慌て︵笑︶。でも、希望を叶えてあげようという気持ちが強かったのでしょう⋮兄は医学部に進学し、続いて私も医学部に進みました。―放射線科を専門にされたのはなぜ? 大学6年生のとき祖父が肺がんで亡くなりました。調べてみると、当時の神戸大学で肺がん治療をするなら外科か放射線科。外科は体育会系だから自分にはちょっと無理だなと放射線科を選んで入局したのに、初月給を貰った途端に、シングルプレーヤーの教授にゴルフショップへ連れて行かれ、強引にクラブ一式そろえさせられ、﹁₂年以内に₁₀₀切らないと破門!﹂と体育会系の洗礼を受けました。今では趣味として楽しんでいます。―最後に今後に向けての抱負をお聞かせください。 基本理念﹁小さく見つけてやさしく治す﹂の﹁小さく見つけて﹂という部分、がんの早期発見に今後もっと貢献したいと思っています。そのためには、決して敷居の高い病院ではないことをPRし、外来受診をしていただけるように努力していきたいと思っています。また集団検診の受け皿としての検査施設の役目を担い、PET検査を含めいろいろながん検診を希望に沿って実施していますのでご相談ください。将来的には血液中の遺伝子レベルでの検査ががんの早期発見の主流になると考えています。 病院の運営に関しては₂月中旬からクラウドファンディングを立ち上げました。当センターの理念をご理解いただき、ご協力をよろしくお願いいたします。医療法人社団 神戸低侵襲がん医療センターKobe Minimally invasive Cancer Center (KMCC) 所在地/神戸市中央区港島中町8丁目5番1電話番号/ 予約専用ダイヤル 078(304)4100電話 078(304)4100(代表)病床種別/一般病床届出・許可病床/ 80床 (急性期一般病床 60床・地域包括ケア病床 20床)がんの早期発見にも貢献https://www.k-mcc.net/57

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