KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年2月号
56/128

サイバーナイフトラルービーム個室は68床され、治療レベルも上がります。近隣病院との連携では、神戸大学病院をはじめ甲南医療センター、神戸日赤病院、神戸労災病院、西市民病院、神戸百年記念病院、中央市民病院などから、放射線治療の全て、あるいは高精度治療の一部を当センターに﹁委ねる﹂と言っていただいています。こちらから出向き外来診療している病院もあり、そこでの患者さんについては相互に情報交換しながら治療を進めます。―この₁₀年で治療法もさらに進歩してきたのでしょうね。 治療装置は₁年₁回のメンテナンスの都度、バージョンアップされます。それに加え、治療の保険適用が広がり、例えばサイバーナイフは脳や頭頚部など動かない部位にのみ適用されていましたが、肺や肝臓に拡大され、さらに前立腺、膵臓、腎臓、また脊椎転移を含む少数の転移にまで拡大されています。薬物療法においては、本庶佑先生の発見に伴い免疫療法が保険承認され、非常に多くのがん治療に広がってきました。特に切る治療を諦めざるをえなくなっていた肺がん患者さんの長期生存率が格段に高まり、大きく状況が変わってきています。―新たな﹁温熱療法﹂とは。 緩和医療の手段として位置づけられてきた﹁温熱療法﹂を、適切な時期に放射線や抗がん剤治療と併用すると非常に効果的だと分かってきました。無作為に大きくなったがんは奥まで酸素が届かなくなり、その環境で生き延びようとどんどん悪性化します。₈MHzラジオ波を使う最新装置﹁RF₈﹂で深部まで加温すると、常に一定温度を保つ正常細胞とは違い、温度が上がりやすいがん細胞は₄₂・5度を超えると死滅していきます。また深部温度が上がり、血流が改善されると抗がん剤が奥まで届き、放射線の効果も高ま進化する最先端のがん治療56

元のページ  ../index.html#56

このブックを見る