KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年2月号
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メージが違うかもしれませんが、今も半分はチェロ弾きですからね。音を合わせることは、人間関係を作っていくことと同じこと。いい仲間と色彩豊かな音楽をお届けしたいと思っています。す。石畳の道。石造りの建物。聞こえてくる街の音も違う。留学する学生には、「できるだけ2年は行っておいで」と話します。1年は長めの旅行ですが、その場所に来た時の季節を繰り返すと、「ここにいる」と「ここに住んでいる」という感覚が、ぐっと深まりますから。―チェロ奏者でもいらっしゃいますね。父がピアノ、母が声楽をしていたので、家の中には常に音楽がありました。親から聞いた話では、ベビーベッドはピアノの隣にあって、赤ちゃんの私は必ずピアノの方向を向いたそうです。ピアノは4歳から始めました。その後、なぜか弦楽器の音が好きだったらしく、チェロを選びました。9歳の時でした。―海外に行ったことで音って変わりましたか?同じ楽器でも演奏する場所がヨーロッパの建物か日本の建物か、それだけでも音は変わりますし、気候でも変わります。ヨーロッパの建物は天井が高いことが多いせいもありますが、響きの中で、或いは響きを使って音を作るという感覚は住んでいて段々学ぶことの一つです。また例えば絵や景気を見るなど、色々な物からイマジネーションの幅を拡げることも大切です。―それは指揮者としての言葉ですね。音楽はみんなで作るものですから、共通項は多いのがいいと思います。同じ楽譜を見ていても民族の違いによって感じ取ることは様々です。例えば同じ「赤」と言われてもスペイン人がエル・グレコの赤を想像している時に日本人は柿右衛門の赤を想っているかもしれません。そういう複雑さは音色の深みにも繋がりますが、バラバラでは一つの表現になりません。個性は生かしながらまとめて合わせていくのが指揮者の仕事の一つです。大指揮者トスカニーニや帝王カラヤンとはイ神戸市室内管弦楽団 第153回定期演奏会「シューベルトへの道」日時:2022年4月23日(土) 15時開演出演:指揮 鈴木秀美、フルート 清水信貴曲目: C.P.E.バッハ:フルート協奏曲 ニ短調 Wq.22 ハイドン:交響曲 第83番「めんどり」 シューベルト:交響曲 第1番会場:神戸文化ホール 中ホール料金:S 4,000円、A 2,000円、U25 1,000円チケット:神戸文化ホールプレイガイド Tel.078-351-3349     神戸文化ホールオンラインチケット29

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