KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2022年2月号
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「神戸での撮影にはこだわりました。キャストもスタッフも神戸で知り合った人が多く、ロケでは、神戸フィルムオフィスをはじめ、地元の人たちが大勢、協力してくれ、感謝しています」栃木県で生まれ、高校まで過ごす。明治大学理工学部へ進学するが、「好きな映画作りに挑戦してみたい」と同大卒業後、理系から方向転換し、東京藝術大学大学院へ進み、映画新作の小説や映画に新譜…。これら創作物が、漫然とこの世に生まれることはない。いずれも創作者たちが大切に温め蓄えてきたアイデアや知識を駆使し、紡ぎ出された想像力の結晶だ。「新たな物語が始まる瞬間を見てみたい」。そんな好奇心の赴くままに創作秘話を聞きにゆこう。第16回は映画監督の野原位(のはら・ただし)さん。撮りながら磨き上げた感性…神戸から挑む世界への挑戦THESTORYBEGINS-vol.16野原 位さん⊘ 物語が始まる ⊘させた映画「三度目の、正直」が1月に封切られ、全国で順次公開中だ。9年前から神戸に創作の拠点を構え、映画製作に携わり、今作が長編劇場映画の監督デビュー作だ。家族との関係、子育て、仕事…。それぞれの人生に悩みを抱える男女の群像劇が、神戸を舞台に展開する。三宮などの市街地や須磨海岸など神戸市一帯でロケを敢行した。神戸でつかんだチャンス「実は、4分の1ほど撮影した後。これは違うかな? このまま撮り続けても納得のいく作品にはならないかもしれない…。そう悩み、考え直し、もう一度始めから脚本を書き直すことにしたんです」〝いい作品にするためなら〟妥協は決して許さない。改めて脚本を練り直し、最初から撮り直し、完成20

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