KOBECCO(月刊 神戸っ子)2022年1月号
99/132

元町映画館神戸市中央区元町通4-1-1266席+1(車椅子)TEL.078-366-2636https://www.motoei.com/Ⓒ 2020 Puritan Films,LLC - All Rights Reserved監督・製作・編集・録音:フレデリック・ワイズマン配給:ミモザフィルムズ、ムヴィオラ1月22日(土)より2週間上映※途中休憩ありpresentsコロナ前の2019年、元町映画館で大ヒットしたのが、ドキュメンタリー界の巨匠、フレデリック・ワイズマン作『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』だった。ワイズマンは事前リサーチをほとんどせず、ナレーション、インタビュー、伴奏音楽のない作風で有名だが、議論をしている現場に放り込まれたような臨場感があり、その作品は驚きや発見に満ちている。最新作は市民にサービスを提供する地方自治の要、ボストン市庁舎が舞台だ。撮影時はトランプ政権下で、マーティン・ウォルシュ市長の「市を変え、国を変える」というスピーチにも力がこもる。人種差別が強まる中、多民族の職員たちが貧困層のシェルター問題や依存症対策、住宅問題についてコミュニティメンバーや市民と白熱の議論を重ねる。同性カップルの結婚式や、ラテン女性が賃金格差解消の交渉術を学ぶセミナーも印象深かった。対話を重ねる市長や職員たちに密着した274分には、社会生活のあらゆる問題に取り組む人々の姿がある。彼らの物語に耳を傾けながら、健全な民主主義を体感してほしい。 (江口由美)vol.1対話からはじまる、健全な民主主義~今月の1本~上映スケジュールはコチラ▶ボストン市庁舎"City Hall"(2020年 アメリカ 274分)99

元のページ  ../index.html#99

このブックを見る