KOBECCO(月刊 神戸っ子)2022年1月号
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す。コロナの後遺症への対応も課題です。いまのところわからないことが多く、特に効果的な薬もありませんので、まずは寄り添っていくことが大事だと思います。コロナ禍で外出が制限され、ご高齢者のフレイルや認知症が進んでいますし、受診控えでがんが見つかりにくいとか、生活習慣病が悪化したとかいう報告もありますし、そういった方々へ対応し医療環境を元に戻すことも重要です。─コロナ以外のことでは。空地 お話ししたように、地域医療構想です。公立・公的病院のあり方を含めて一からしっかり議論していきたいですね。また、県内には特に県西部、北部、東北部に医師少数区域が多いのですが、その対策にも力をいれていきたい。このような地域で開業し地域医療を支えているのは高齢の先生が多いのですが、後継者がおらず閉院するケースが少なくないんです。県医師会ではドクターバンクを設置しており、従来は医師不足の病院へのあっせんや子育てなどで一時臨床を離れた女性医師が復帰するためのマッチングが中心でしたが、これからは医療機関の継承のためのマッチング業務もおこなっていきます。コロナで少し遅れましたが、兵庫県医療信用組合や神戸医師協同組合とタイアップして、後継者を第三者的にマッチングさせていきたいですね。─最後に、県民のみなさまにお伝えしたいことがありましたらぜひ。空地 繰り返しになりますが、手洗いとマスク着用をお願いします。発熱時や新型コロナウイルス感染症が疑われる場合は必ず受診前に電話で相談してください。いまさかんにドラッグストアなどでセルフチェックの抗原検査キットを発売していますが、精度が疑わしいものもあり、体調が悪くても検査結果が陰性だからといって旅行や食事などの行動をされると感染を広げることになる可能性があります。また、普段からかかりつけ医を持っていただきたいですね。(注)※記事内容は取材日(2021年11月24日)時点での情報に基づいています。新型コロナウイルスに関する情報は日々変化しています。最新の情報は各自ご確認ください。https://www.hyogo.med.or.jp/prefecture/84

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