KOBECCO(月刊 神戸っ子)2022年1月号
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相や政府に働きかけることも可能です。医師会が連携の要となって貢献できる部分は大きいと思います。─知事が替わりましたが、変化はありましたか。空地 齋藤知事には、医師会を中心とした医療関係者の意見を聞きながらこれまでの施策をさらに充実するような形で進めていきたいと言っていただき、実際そのように進んでいますので、知事と一緒に県の医療体制をつくっていけるのではないかと思います。お互いの信頼関係はできています。常に備えることが大切─社会はポストコロナへと軸足を移しつつありますが、私たちはコロナとどのように付き合っていくべきですか。空地 ワクチン接種がきちんと進むことが大事ですね。さまざまな事情で接種できない人は仕方ないですが、まずはワクチンの2回接種をすることが良いのではないでしょうか。マスク着用と手洗いをしっかりおこなうことも大切です。─今後、新型コロナウイルス感染症とは別の新たな感染症は出てくるのでしょうか。空地 たぶんそうでしょう。人類の歴史は感染症との闘いの歴史でもあります。2009年に新型インフルエンザが流行しましたが、あの時は早い段階で高病原性でないことや、従来の検査や薬が有効ということがわかったので対応が進みました。しかし、高病原性のインフルエンザが発生した場合には、対応にかなり苦慮する可能性があります。しかもそれが検査で発見されにくいとか、従来の飲み薬が効かないとかいうことになれば、今回の新型コロナウイルスと同じような状況になってしまいます。ただし、今回の新型コロナウイルスへの対応を反省し事業計画の中に6事業目として新興感染症対策を盛り込んでいくことになっていますから、医療機関が今回のように厳しい状況にならないのではないかと予測できますし、我々も勉強し、人材も育成していきます。─「備えあれば憂いなし」ですね。空地 でも「天災は忘れた頃にやってくる」ですから、絶えず備えていくことに尽きますね。そういう意味では、兵庫県医師会は阪神・淡路大震災を経験し、災害対策の訓練を繰り返しやってきて、日本全国から研修のインストラクターとしてお声がけいただいています。阪神・淡路大震災の時にいろいろな地域から助けていただいたので、いただいた恩をお返しにとモチベーションも高く、東日本大震災や熊本地震、倉敷・真備の水害の時も駆け付け支援しました。災害時の対策は整えているので、それと連動した形で感染症対策の検証を着々と進めています。─2022年、コロナに関して力を入れたいことは何ですか。空地 まずは3回目の新型コロナウイルスワクチン接種で83

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