KOBECCO(月刊 神戸っ子)2022年1月号
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湊川隧道日本酒貯蔵プロジェクト始動天然のカーヴで180日間熟成させる日本酒「隧ZUI」2020年、早駒運輸株式会社と株式会社神戸酒心館、兵庫県、湊川隧道保存友の会の4者が連携協定を締結し、5年間の湊川隧道における日本酒貯蔵プロジェクトが始まった。早駒運輸の渡辺真二社長に「船会社が何故?」と尋ねると、「湊川が運ぶ大量の土砂が海へと流れ込み、遠浅の海に変貌していたら、優れた機能を持つ神戸港はなく、早駒運輸135年の歴史もなかったでしょう。『港を守ってくれた湊川隧道に感謝の意を表したい』。そんな思いがあります」とここに至った経緯を話してくれた。貯蔵酒売上の一部は湊川隧道の保存に活用される。人工的な空調や温度管理に一切頼らず、気温約15度で安定している湊川隧道「天然のカーヴ」で180日間熟成させる「隧ZUI」はCO2を排出せず、「SDGsの時代にふさわしい日本酒」といえる。「通常は5度から10度で貯蔵しますから、酒心館の杜氏さんにとっても今までにない経験。仕上がりを楽しみにしているそうです」と話すのはHAYAKOMAブランディングプロデューサーの渡邉美香さん。2021年11月12日に蔵出し、12月1日から発売開始した「隧ZUI 辛丑ver.」。ラベルは湊川隧道をイメージする煉瓦色に早駒運輸オリジナル「錨マーク」、そして自ら想いを込めて揮毫した「隧ZUI」。「2021年『辛丑』は湊川隧道築造から干支が10回巡り120周年、一般公開から20年、トンネルサミット開催…いろいろな偶然が重なった意味深い年です。勤勉実直に働き農耕を支えた牛(丑)年は『我慢の年』『発展する前触れの年』。コロナ禍を耐え、2022年はきっと発展の年になります」隧道を大切に保存するためにさまざまな規制があり、貯蔵する本数は限定される。「毎年、720ml瓶3000本を蔵入れ蔵出し、1800ml瓶117本は蔵入れし5年後に蔵出しします。味にどんな変化が生まれるか、楽しみです」。新年を迎え〝隧〟は明るい光へと向かって続いている。KOBE SEABUSHP隧 ZUIfor more info■価格 2,200円(税込) ■容量 720㎖■アルコール度数 15% ■販売場所 神戸シーバスboh boh KOBE船内 ほか■船内販売ご予約・お問い合わせ0120-370-764(9:00~18:30) 予約 TEL.0120-370-764(9:00~18:30)boh boh KOBEにて販売中65

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