KOBECCO(月刊 神戸っ子)2022年1月号
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2020年から始まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は、またたくまに関西地方を数度の波に渡り飲み込みました。その中で当院でも軽症から重症のCOVID-19患者を診療してきましたので紹介させていただきます。COVID-19は感染して自然免疫で排除されなかった場合にウイルス性の肺炎を起こします。そしてすぐに良くならなかった場合、過剰な自己免疫による肺炎が続き重症化すると考えられています。従って、ウイルス増殖を抑え、過剰な自己免疫による炎症を抑えるという2つの治療戦略が基本になります。ウイルスの増殖を抑えるためには、ウイルスの複製を抑える抗ウイルス薬(レムデシビルなど)や抗体が武器になります。抗体にはワクチンによる自分自身の免疫と人工抗体があります。人工抗体として代表的なものはカシリビマブ/イムデビマブ合剤(いわ新型コロナウイルス感染症の診療神戸大学医学部附属病院 感染症内科/神戸大学都市安全研究センター 准教授大路 剛特 集42

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