KOBECCO(月刊 神戸っ子)2022年1月号
39/132

へ当院からスタッフを派遣するだけでなく、会場設営に関わる上でたいへん有用なものになりました。神戸市や兵庫県の数か所の大規模接種会場へは医療従事者を派遣しました。特にノエビアスタジアム神戸の大規模接種会場は神戸市、神戸大学、神戸大学医学部附属病院、慈恵大外科、SBCメディカル、ヴィッセル神戸、楽天、楽天メディカルの8者により国内初の産学官連携の迅速かつ効率的なワクチン接種オペレーション体制を持つ大規模ワクチン接種モデルとなりました。5月31日からの接種開始に向けて連日8者のスタッフが現地に集まり協議を重ね会場設営に取り組みました。会場にはイニエスタ選手や山口蛍選手をはじめヴィッセル神戸の選手の等身大ボードが設置され、被接種者の不安を和らげていました。一日最大7000人への接種が可能となり、市民のワクチン接種率向上に大いに貢献できました。6月に入ると接種の加速化を図るため、企業や大学等において職域単位でワクチン接種を行う職域接種が始まり、神戸大学、兵庫県立大学での職域接種にも参加させていただきました。過去最大の第5波が終わり、日本は一時的に落ち着きをみせています。しかしヨーロッパでは新たに大きな波が到来している国もあり、ワクチン2回接種後の感染、いわゆるブレークスルー感染が発生しています。このブレークスルー感染を抑えるためにも追加接種(3回目接種)が日本でも今まさに計画されています。高齢者、重症化リスクが高い方、その関係者・介助者、医療従事者などが優先となりますが、もちろん一般の方への接種も引き続き始まります。接種ワクチンは1回目・2回目に接種したワクチンの種類にかかわらず、メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンを使用します。つまりメッセンジャーRNAワクチンであれば異なるワクチンでも可ということになります。年明けには大規模接種会場でも行われる予定です。コロナ禍の終息はまだ見えず、これからもさらなるパンデミックの波が襲ってくるかもしれません。変異株が新たに出現するかもしれません。それでも科学研究や治験の成果とともに新しいより有効な治療薬、予防薬、ワクチンが次々にでき、人々の安全・安心が確保されこの未曾有の災害が終結することを願うばかりです。39

元のページ  ../index.html#39

このブックを見る