KOBECCO(月刊 神戸っ子)2022年1月号
19/132

美術家 横尾 忠則1936年兵庫県生まれ。ニューヨーク近代美術館、パリのカルティエ財団現代美術館など世界各国で個展を開催。旭日小綬章、朝日賞、高松宮殿下記念世界文化賞受賞。横尾忠則現代美術館にて「横尾忠則の恐怖の館」展を開催中。大分県立美術館にて「GENKYO横尾忠則」展を開催する。(12月4日〜2022年1月23日)http://www.tadanoriyokoo.com「記憶の遠近術 〜篠山紀信、横尾忠則を撮る」2014年点が特別に展示された。会期中には先年他界した小杉武久らにより、音のコラージュをテーマに、デヴィッド・チュードア「レインフォレスト」が演奏された。僕の作品の多面性は、コラージュの経験から発想されたものが大半である。アカデミックな美術教育の経験のない僕は、絵の出発から他者の作品の複製を寄せ集めて、それを同一画面に平置きする手法に従ってきた。僕のコラージュの前身は模写である。模写の手間を省くことが、後のコラージュに変換されていったように思う。もしアカデミックな絵画教育を受けていたら、いきなり模写をしたりコラージュの手法を取り入れることはなかったと思う。19

元のページ  ../index.html#19

このブックを見る