KOBECCO(月刊 神戸っ子)2022年1月号
17/132

「横尾忠則展 枠と水平線と・・・ グラフィック・ワークを超えて」2014年その後、アイドルが友人にまで拡張し、個人史的な領域へと関心が拡がり、さらに海外へと輪を拡げて、時間、空間的表現へと篠山さんの写真領域が達成していった。そのほぼ全作を写真集では表現できなかった美術館の空間を最大限に利用した展示によって、新たな体験作品に変貌していって、カタログも写真集スタイルで発表された。写真の中には僕の神戸時代の人達や、初めて神戸に新居を持ったアパートなどがまだ存在していて、神戸の震災以前の風景を写真の中で回想する地元神戸の人達にとっては懐かしい風景として大きい関心が抱かれた。そうした神戸のノスタルジー風景とは別に、今は亡き昭和のスター達に観賞者自身の個人的視点と歴史的現実を合わせ鏡のようにして観賞する17

元のページ  ../index.html#17

このブックを見る