KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年11月号
93/136

に再生すること)」をめざす挑戦的な取り組みになります。一番の目的は、環境問題の解決策を「見える化」することです。海洋プラスチック問題は話が大きすぎて知っていても「ポイ捨てしなければいいだろう」などと考えがちで、実際に何をすればいいのか、効果がわかりにくいのが現状です。プラスチック資源のリサイクルで、消費者に見えるのは、お店で売っている製品を、買って使って捨てるまでです。そこから、どこに集めてどう処理してリサイクルされたのか、それが市民のみなさまに見えるようになっていませんでしたので、解決策を具体的に提示できるようにすることに大きな意味があると思っています。市民の皆様はもちろん、製造・小売・リサイクルに関わる人たちが、海洋プラスチック問題に対して何かしたいとそれぞれで思っていたところを、神戸市が動くことでつなげられたと思っています。神戸には、市民の皆さんと創り上げたすごい文化があります。50年ほど前に制定された「神戸市民のくらしを守る条例」に、過大包装の禁止や包装に係る資源の節約、環境に配慮した処理が可能な包装の使用について日本で初めて盛り込みました。「少しでももったいないことをやめよう」と市民の問題意識が生んだ条例です。今回、企業の枠を越えた取り組みができたのも、神戸の先進的な文化があってこそだと思っています。プラスチックといっても種類がたくさんあります。金属に金や銅、鉄、熱に強い弱い、錆びる錆びないなどと同じように、プラスチックにも用途に応じた、たくさんの種類があります。これらを一緒に集めることが、再資源化を複雑にしています。再資源化が進んでいるのは、ペットボトル。ポリエチレンテレフタレート (PET)という1種類今回の取り組みのきっかけを教えてください。これまでのプラスチックリサイクルと何が違うのですか?専用の回収ボックスつめかえパックのバーコードを読み込む神戸プラスチックネクストのアプリから「つめかえパックの回収」へ93

元のページ  ../index.html#93

このブックを見る